東南アジア諸国における日系中堅・中小建設業の事業ポジショニング

ここ数年、業界の海外市場への調査が進展し、中堅・中小建設業にとっての方向性や市場が見え始めてきました。自社に適した事業検討が個別に進んだ結果、先駆者的な企業の海外進出事例が出始めています。 反面、建設企業としての進出の困難さから業態変更による進出も進んでいます。

本表における可能性評価は、代表である鐘江の過去10年間における中小建設業進出のために現地調査等を行ったなかでの個人的評価にすぎません。進出の事業内容や会社の方針により、また進出国の法制変更等により大きく評価は異なるため、絶対的な評価ではありません。そのつもりでご参考として下さい。

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THA・・・タイ　　/　　　MMR・・・ミャンマー　　/　　KHM・・・カンボジア　　/　VNM・・・ベトナム　　/　　IDN・・・インドネシア

２０１７年中堅・中小建設企業が向かっている事業の方向							◎可能性高い ○可能性あり △厳しい Ｘ不可
		目指す事業	形態	顧客	リスク	主な課題例	THA	MMR	KHM	VNM	IDN
土木	1	ODAによるインフラ整備事業	請負	日系ゼネコン	小	技術力 案件組成まで長期の投資 単独工事での採算性（継続性なし 参入形態	Ｘ	△	△	〇	△
	2	現地公共事業の受注 （元請・下請・JV・現法・合弁）	請負	現地官公署 日系ゼネコン	小	独自事業展開力・営業力 現地法制度・商慣習の習熟 強いネットワーク 管理力・支配力	△	△	△	△	▲
建築	1	工業団地進出日系 製造業等の工場建設 （元請・下請・JV・現法・合弁）	請負	発注者 日系ゼネコン	小	現地業者との価格競争 特殊仕様への対応力	〇	◎	〇	◎	△
	2	ODAによるインフラ整備事業	請負	日系ゼネコン	小	技術力 案件組成まで長期の投資 単独工事での採算性（継続性なし） 参入形態	Ｘ	△	△	○	△
建築設計 (建設コンサル)		国際プロジェクトの基本計画・ 基本設計から現地での 施工図受注まで多彩	請負	多彩	中小	現地建築基準等への対応 法人設置の場合の採算性	◎	◎	〇	◎	〇
設備	1	工業団地進出日系 製造業等の工場建設 （元請・下請・JV・現法・合弁）	請負	発注者 日系ゼネコン	小	現地業者との価格競争 特殊仕様への対応力	〇	◎	〇	◎	△
	2	オフィス・ホテル・ マンション・複合施設等 高層・ハイグレード建築市場	請負・ 販売	現地民間企業	大	韓国・中国・現地業者との価格競争 地場化 日本型建築技術の採用	〇	〇	△	〇	△
		目指す事業	形態	顧客	リスク	主な課題例	THA	MMR	KHM	VNM	IDN
専門工事	1	ODAによるインフラ整備事業	請負・ SV	日系ゼネコン	小	技術力 案件組成まで長期の投資 単独工事での採算性(継続性なし) 参入形態	Ｘ	〇	〇	◎	〇
	2	工業団地進出日系 製造業等の工場建設 （元請・下請・JV・現法・合弁）	請負・ SV	発注者 日系ゼネコン	小	現地業者との価格競争 特殊仕様への対応力	〇	〇	△	〇	〇
	3	独自開発技術・工法の展開 （現地拠点or輸出入）	ロイヤル ティー他	現地建設業 商社・販売店等	多彩	ローコストローテク 知財確保 販売ネットワーク 先行投資 雇用の確保 ー課題は事業内容で大きく異なる	◎	◎	〇	◎	〇
住宅		日系住宅メーカーの住宅開発	請負	日系住宅メーカー デベロッパー	小	現地業者との価格競争 開発物件に日本型住宅仕様があるか 売り込み要素の有無	〇	〇	△	〇	〇
建材		特殊付加価値建材の販売	販売・ 輸出	現地建設業 販売店・商社等	小	現地価格対応と特殊使用 知財確保 販売ネットワーク マーケティング手法	◎	◎	〇	◎	◎
重機レンタル		現地建設市場への 各種レンタル市場	レンタル	日系・ 現地ゼネコン等	中大	レンタル市場の市場調査 合弁パートナー	〇	〇	△	〇	〇
外国人派遣事業	1	建設技能員派遣制度	派遣	日本建設業者	小	教育（技術・日本語）技能 送り出し・受入機関連携 市場確保 期間後のケア	Ｘ	〇	〇	◎	〇
	2	建設技術者・管理者派遣	派遣	日本建設業者	小	管理者教育（技術・日本語）技能 送り出し・受入機関連携 市場確保 日本側VISA	△	〇	△	◎	〇
		目指す事業	形態	顧客	リスク	主な課題例	THA	MMR	KHM	VNM	IDN
THA・・・タイ　　/　　　MMR・・・ミャンマー　　/　　KHM・・・カンボジア　　/　VNM・・・ベトナム　　/　　IDN・・・インドネシア 本表における可能性評価は、代表である鐘江の過去10年間における中小建設業進出のために現地調査等を行ったなかでの個人的評価にすぎません。進出の事業内容や会社の方針により、また進出国の法制変更等により大きく評価は異なるため、絶対的な評価ではありません。そのつもりでご参考として下さい。 評価についてご質問 / ご相談、市場の調査依頼などがある方はこちらからお願いします